「年金だけでは介護費用が足りない」「子どもに迷惑をかけたくない」「夫婦二人で何とかしたい」——高齢夫婦世帯にとって、介護費用は最大の不安要素です。デイサービス・訪問介護・施設入居など想定外の出費は数十万円単位で発生し、年金収入だけでは対応しきれない場面が増えています。
本記事では、子世代に頼らずに高齢夫婦だけで介護費用を確保する 5つの選択肢を、年齢制限なしで利用できる質屋と公的支援の併用パターンを軸に解説します。
高齢夫婦世帯の介護費用負担の現実
介護費の実態
厚生労働省の統計によると、要介護者1人あたりの介護費用は月平均8〜15万円。さらに以下のような 突発的な大型出費 が発生します。
- 介護施設入居一時金: 50〜500万円
- 自宅のバリアフリー改修: 30〜200万円
- 介護用ベッド・車椅子・歩行補助具: 10〜50万円
- 緊急入院時の保証金: 30〜100万円
月の年金収入が25万円程度の高齢夫婦世帯 にとって、これらの出費は預貯金を一気に削るインパクトがあります。
なぜ「子世代に頼らない」選択肢が求められるか
- 子世代も住宅ローン・教育費・自分の老後資金で精一杯
- 「迷惑をかけたくない」という親世代の心理
- 子世代との関係を金銭で複雑にしたくない
- 子なし夫婦・子と疎遠なケースもある
高齢夫婦が独立して資金確保できる手段 を持つことが、家族関係の維持にもつながります。
高齢者特有の「借入の壁」
通常の借入手段(カードローン・銀行融資)は 年齢制限と収入要件 があり、年金収入のみでは利用できないケースが多いです。
- カードローン: 多くが65〜70歳まで
- 銀行融資: 安定収入要件で年金のみでは難しい
- 消費者金融: 同様の年齢制限あり
介護費用を捻出する5つの選択肢

選択肢1: 年金からの計画的支出
最も基本的な手段です。
- 年金の天引き: 介護保険料が引かれた手取り額で計画
- 隔月支給の活用: 年金支給月にまとめて介護費を確保
- 老齢年金以外の年金: 遺族年金・障害年金がある場合は合算
ただし、突発的な出費には対応しにくい のが弱点です。
選択肢2: 質屋(手元の品物の活用)
高齢夫婦世帯にとって最も柔軟な即日資金 の手段です。
- スピード: 即日(30分〜1時間)
- 金額: 査定額の50〜70%
- コスト: 月利3〜7%(少〜中額融資)
- 年齢制限: なし(70代・80代でも可)
- 収入確認: なし
- 信用情報: 影響なし
結婚指輪・腕時計・金のジュエリー・形見の宝飾品など、長年保有してきた品物が活用できます。
選択肢3: 預貯金の取り崩し
最もコストが低い手段ですが、老後資金の枯渇リスク があります。
- 普通預金: いつでも引き出し可能
- 定期預金: 中途解約で利息減少
- 投資信託・株式: 売却タイミングで損失リスク
預貯金を取り崩す前に、利息5万円以下の質屋つなぎ が現実的な選択肢になります。
選択肢4: 公的支援制度
複数の制度を組み合わせることで、実質的な介護費負担を大幅軽減 できます。
- 介護保険制度: 1〜3割負担
- 高額介護サービス費: 月額負担上限超過分の払い戻し
- 高額療養費制度: 医療費の自己負担上限
- 生活福祉資金貸付制度: 無利子〜年1.5%
- 自治体独自の介護支援給付金
ただし 入金まで2〜4週間 かかるため、即日性が必要な場面では併用が前提です。
選択肢5: 自宅の活用(リバースモーゲージ等)
持ち家がある場合の選択肢です。
- リバースモーゲージ: 自宅を担保に借入、死亡後に売却返済
- リースバック: 自宅売却後にそのまま賃貸として住む
- 不動産担保ローン: 自宅を担保に低利息で借入
契約から入金まで1〜3ヶ月 かかるため、短期の急な出費には不向きです。
公的支援制度との併用パターン

パターン1: 質屋で即日つなぎ → 高額介護サービス費で還付
- 月の介護費が突発的に20万円必要
- 質屋で20万円借入(月利5%・利息1万円)
- 翌月に高額介護サービス費(上限超過分)が市町村から還付
- 還付金で質屋を取り戻し
1万円の利息で20万円を即日確保 できる現実的な運用です。
パターン2: 介護保険申請中の自費期間を質屋でカバー
- 要介護認定の申請から認定まで30〜60日
- その間の介護費は10割自己負担
- 質屋で30万円借入(月利4%・2ヶ月利息24,000円)
- 認定後の遡及還付で質屋取り戻し
パターン3: 施設入居一時金の即日対応
- 施設の空き枠が出て即決必要
- 質屋で50万円借入(月利3%・3ヶ月利息45,000円)
- 生活福祉資金(無利子)の入金で質屋取り戻し
- 結果として 無利子に近いコスト で施設入居実現
パターン4: 介護用品の急な購入
- 介護用ベッド・歩行器など10〜20万円
- 質屋で借入後、福祉用具購入費の支給申請
- 上限内(1割〜3割負担)で実質負担軽減
高齢者の手元品物別査定相場
長年保有してきた品物には意外と 価値があるもの が眠っています。
| 品物 | 借入相場の目安 |
|---|---|
| 結婚指輪(プラチナ・ダイヤ) | 3〜15万円 |
| 金の腕時計(ロレックス・オメガ等) | 10〜100万円 |
| 真珠ネックレス | 2〜10万円 |
| 翡翠・サンゴの宝飾品 | 3〜30万円 |
| 形見の貴金属(金製品) | 5〜50万円 |
| 高級カメラ(ライカ・ハッセル等) | 5〜30万円 |
| 切手・古銭コレクション | 1〜10万円 |
| 着物・帯(高級反物) | 1〜5万円 |
金相場上昇局面では、保有金製品の査定額も大幅アップ しています(金の値上がりで追加融資の仕組みも参照)。
介護費用シミュレーション
ケース1: 訪問介護費の月額不足10万円
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 訪問介護増加で月10万円不足 |
| 預ける品物 | 妻のプラチナ結婚指輪+ダイヤ(市場価値18万円) |
| 借入額 | 10万円 |
| 月利 | 5%(少額融資の相場) |
| 借入期間 | 2ヶ月(高額介護サービス費還付まで) |
| 利息合計 | 10,000円 |
| 還付金 | 約8万円(高額介護サービス費) |
| 実質負担 | 約3万円 |
ケース2: 介護施設入居一時金30万円
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 施設の空き枠で即決必要 |
| 預ける品物 | 夫のロレックス・デイトジャスト(市場価値80万円) |
| 借入額 | 30万円 |
| 月利 | 3%(中額融資の相場) |
| 借入期間 | 1ヶ月(生活福祉資金入金まで) |
| 利息合計 | 9,000円 |
| 入金後返済 | 質屋取り戻し |
ケース3: 緊急入院保証金20万円
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 配偶者の緊急入院保証金 |
| 預ける品物 | 形見の金製品(市場価値35万円) |
| 借入額 | 20万円 |
| 月利 | 4% |
| 借入期間 | 2ヶ月 |
| 利息合計 | 16,000円 |
| 退院時の保証金返還 | 質屋取り戻し |
高齢夫婦世帯の質屋利用Q&A
高齢者でも安心して利用できる質屋の特徴
- 対面でのゆっくり説明 を受けられる
- 利息計算を 手書きで明示 してくれる
- 期限管理を 電話・郵便で連絡 してくれる
- 取り戻し時の手続きが シンプル
地方の老舗質屋や シニア対応 をうたう店舗を選ぶと安心です。
注意点
注意1: 流質期限を超えると品物を失う
質屋営業法第19条により、原則3ヶ月の流質期限を超えると品物の所有権が質屋に移転します。形見や思い出の品 は特に注意が必要です。
注意2: 公的支援は早めに申請
要介護認定の申請、生活福祉資金、自治体の独自支援は 時間がかかる ため、状況が悪化する前に早めに動くことが重要です。
注意3: 詐欺・悪質業者への警戒
高齢者を狙った訪問買取・押し買い被害が増えています。店舗を構えた質屋 で、地元で長年営業している店舗を選びましょう。
注意4: 子世代との情報共有
「迷惑をかけたくない」気持ちは大切ですが、緊急時の連絡先 や財産の状況は最低限共有しておくと安心です。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 70代・80代でも質屋は利用できますか?
はい、年齢制限はありません。80代の利用者も多数いる のが質屋の特徴です。本人確認書類(運転免許証・健康保険証・マイナンバーカード等)と品物を持参すれば即日借入可能です。
Q2. 配偶者が認知症で、本人が来店できない場合はどうなりますか?
質入れは 品物の所有者本人 が手続きする必要があります。配偶者の所有物を質入れする場合、所有者本人の同伴または委任状が必要です。詳細は店舗に事前相談してください。
Q3. 形見の品を質入れするのは縁起が悪いと感じます
質屋では取り戻しが前提のため、所有権はあくまでお客様 にあります。期限内に返済すれば品物は確実に戻ります。形見を売却ではなく一時的に活用する手段として、感情的にも受け入れやすい選択肢です。
Q4. 子どもに知られずに利用できますか?
質屋は質屋営業法の管轄であり、家族への通知義務はありません。ただし、緊急時の連絡先として子世代の情報共有は推奨します。
Q5. 公的介護保険の申請はどこでするのですか?
お住まいの市町村役場の 介護保険担当窓口 で申請できます。要介護認定の申請から認定まで30〜60日かかります。地域包括支援センターでも相談可能です。
Q6. 信用情報に影響しないというのは本当ですか?
質屋は質屋営業法の管轄であり、貸金業法の適用外です。CIC・JICC・KSCの3信用情報機関への登録は一切ありません。住宅ローン・自動車ローン・事業融資の審査にも影響しません。
Q7. 期限内に返済できなかった場合はどうなりますか?
質屋営業法第19条の流質期限(原則3ヶ月)を経過すると、品物の所有権が質屋に移転します。追加の取り立てや督促はありませんが、預けた品物は戻りません。期限管理が難しい場合は、早めに延長(利息のみ支払い)を相談してください。
最終更新日: 2026-04-29



