「金の地金をいま売ったらいくらになるのか調べている」「親から譲り受けたK18ネックレス、相場が高いうちに手放そうか考えている」「結婚記念に自分で購入した金ネックレスを現金化する前に、損のない方法を比較したい」——金・プラチナは史上最高値圏で推移しており、売却前の情報収集をしている方は多いはずです。

ただし金は過去5年で2倍前後に値上がりしてきた資産でもあり、いまの相場で確定させて売却するか、保有を続けて将来の上昇益を狙うかで長期リターンが大きく変わります。本記事では、金・プラチナの査定相場と引き出し方に加えて、「売らずに保有しながら一時的に現金化する」もう一つの選択肢——質屋(質入れ)——を実務目線で解説します。

なぜ売る前に質入れも検討する価値があるのか

金・プラチナを現金化するときに見落とされがちなのが、「売る」と「質入れ」の決定的な違いです。同じ「現金を手にする」行為でも、その後に手元に何が残るかで長期の損得が大きく変わります。

観点売却(買取)質入れ
受け取れる金額査定額の100%査定額の70〜90%が上限(必要な分だけ選べる)
品物の所有権失う(買取店へ)保持(返済で取り戻せる)
相場上昇益売却時点で確定保有を続ければ享受
信用情報影響なし影響なし
反復性一度きり取り戻し→再質入れで何度でも
借入額の柔軟性査定額そのまま融資枠内で必要な分だけ選べる

質屋は質屋営業法に基づく合法業態で、品物を担保にお金を借りる仕組みです。返済すれば品物は戻り、返済できなくても取り立てはなく、品物の所有権が質屋に移って完結します。CIC・JICC・KSCといった信用情報機関への照会・登録は一切ありません

特に金のように相場上昇が続く資産では、短期の資金需要を質入れで凌いで保有を続けることで、長期の値上がり益を取り逃さずに済む構造があります。保有を続けながら、必要なときに何度でも預けて借り直せるのが質屋の特長です。

また、質入れは 借入額を融資枠の上限まで使う必要がない のも実用的な特徴です。たとえば金地金100gの査定額が120万円・融資枠が96万円でも、本当に必要なのが30万円なら30万円だけ借りられます。月利は借入元本にのみ発生するため、必要最小限の借入で利息を抑えられる設計になっています。

金・プラチナを現金化する前に押さえるべき本質的な6つの価値

売却ではなく質入れを検討するときに、特に金・プラチナで効いてくる価値は次の6点です。

  • 保有しながら資金化できる: 金地金・金貨は手元から離れるが、返済すれば取り戻せる
  • 何度でも預け直せる: 取り戻し → 再質入れの繰り返しで、長期保有しながら何度でも資金化可能
  • 相場上昇益を逃さない: 売却で確定させると将来の値上がり分は享受できないが、質入れで保有を続ければ上昇益はそのまま手元に残る
  • 信用情報に影響しない: 住宅ローン・車ローン・教育ローン審査を控えていても無影響
  • 必要な分だけ借りられる: 融資枠を満額使う必要はなく、借入元本にのみ月利が発生する
  • 鑑定書付きなら査定がブレにくい: 田中貴金属・三菱マテリアル等の鑑定書がある金地金・金貨は店舗による評価差が小さい

特に最後の点は金・プラチナならではの強みです。ブランドバッグや時計と違い、金は 重さ × 純度 × 当日相場 という客観式で査定額が決まるため、複数店での見積もりブレが小さく、初めての方でも判断しやすい資産です。

金・プラチナ査定の基本ルール

ルール1: 査定式は「重さ × 純度 × 当日相場」

金・プラチナの査定額は次の3要素で決まります。

  • 重さ: グラム単位で計測(金具・付属パーツも含む場合あり)
  • 純度: K24(純金)・K18(75%)・K14(58.3%)等の刻印で判定
  • 当日相場: 金1gあたりの市場価格(2026年4月時点で12,000〜13,000円台)

ルール2: 純度別の換算例

純金1g=12,000円換算での目安です。

純度1gあたり100g換算
K24(純金)12,000円120万円
K2211,000円110万円
K189,000円90万円
K147,000円70万円
K105,000円50万円
Pt1000(純プラチナ)5,500円55万円
Pt9005,000円50万円

プラチナは金の40〜50%程度の単価で推移しています(2026年4月時点)。

ルール3: 当日の市場相場を必ず確認する

金・プラチナは日々相場が変動するため、質入れ・売却ともに当日の相場で計算されます。

  • 金(純金1g): 田中貴金属・三菱マテリアル等の公式サイトで確認
  • プラチナ(純プラチナ1g): 同上
  • 海外相場(ドル建て)と為替の影響を受ける
  • 市場開場日のみ更新、土日祝は前営業日相場

相場が高い時期に動くと、査定額・借入額ともに大きくなります。

ルール4: 純度の確認方法を知る

刻印・鑑定書で純度を判定します。

  • : K24・K22・K18・K14・K10・585・750・999の刻印
  • プラチナ: Pt1000・Pt950・Pt900・Pt850・PD(パラジウム合金)
  • 刻印がない場合は試金石・比重測定・X線蛍光分析で判定
  • 古いジュエリー・無刻印品は減額の可能性

ルール5: 付属品・購入証明書の有無

査定額の安定性に直結します。

  • 田中貴金属・三菱マテリアル等の鑑定書: 純度を保証
  • 購入証明書・領収書: 正規購入の証明
  • 金貨の専用ケース・冊子: 真正性の保証
  • インゴットの刻印・シリアル番号: 国際規格適合の証明

鑑定書ありで査定額が10〜20%安定します。

ルール6: 加工費・デザイン料の評価

ジュエリーは「素材+加工」で構成されますが、質屋・買取店では加工費部分は基本的に評価されません。

  • 指輪・ネックレス: 加工費は査定対象外(素材としての金額のみ)
  • 金貨・地金: 加工費なし、純粋に重さ × 純度 × 相場
  • アンティーク・ブランドジュエリー: 加工費・デザイン料が一部査定対象

結婚記念・誕生日プレゼント等の加工費部分は、感情的価値とは別に判断する必要があります。

金・プラチナの質入れ前に確認すべき5つのポイント
金・プラチナの質入れ前に確認すべき5つのポイント

金・プラチナの査定相場(2026年4月時点)

金製品の相場

純金1g=12,000円換算での査定額・借入額目安です。

品目重さ査定額借入額(80%上限)
K24金地金100g120万円96万円
K24金地金50g60万円48万円
K18ネックレス30g27万円21万円
K18指輪10g9万円7万円
K18ピアス5g4.5万円3.6万円

プラチナ製品の相場

純プラチナ1g=5,500円換算。

品目重さ査定額借入額(80%上限)
Pt900プラチナリング5g25,000円20,000円
Pt900ネックレス15g75,000円60,000円
プラチナチェーン30g150,000円120,000円

金貨・記念コインの相場

品目査定額
ウィーン金貨1オンス50〜60万円
メイプルリーフ金貨1オンス50〜60万円
天皇陛下御在位記念金貨30〜40万円
ピューリツァー金貨25〜35万円

金貨は鑑定書付きで査定が安定します。

査定額を最大限に引き出す5つのコツ

コツ1: 鑑定書・購入証明書を揃える

田中貴金属・三菱マテリアル等の鑑定書、購入時の領収書、金貨の専用ケースを揃えることで査定額が安定します。付属品揃いで5〜15%の差がつくケースもあります。

コツ2: 相場が高い時期を選ぶ

金は史上最高値圏で推移しているため、いま動くと査定額・借入額ともに過去比で高水準になります。海外相場・為替次第で日次でブレるため、田中貴金属の公式サイト等で当日相場を確認してから来店してください。

コツ3: 専門店・貴金属取扱経験のある質屋を選ぶ

総合質屋でも金は標準的に扱いますが、地金・金貨・希少金貨は 貴金属専門の質屋ブランドジュエリー専門店 の方が評価ノウハウが厚く、査定額が高くなる傾向があります。

コツ4: 複数店で見積もりを取る

金は客観式で査定額が決まりやすいとはいえ、店舗ごとに月利・融資枠の上限・付属品評価が異なります。事前電話で2〜3店舗の見積もりを取るのが推奨です。

コツ5: 短期返済の意思を伝える(質入れ時)

「すぐ取り戻す予定」と伝えると、店舗側も質流れ前提でなく顧客関係を重視した条件提示をしてくれるケースがあります。

「質入れ」で資金化する具体的シミュレーション

ケース1: 親から譲り受けた金貨で住宅ローン頭金50万円を確保

項目内容
品物ウィーン金貨1オンス(親から譲り受け、鑑定書あり)
状態良好、純正ケース・冊子付き
査定額55万円
借入額40万円(査定額の約73%)
月利2%
借入期間2ヶ月(住宅ローン実行で返済)
利息合計16,000円

2ヶ月の利息16,000円で金貨を手元に残しながら40万円を調達できる例です。住宅ローン審査時の信用情報にも一切影響しません。

ケース2: 結婚記念に自分で購入した金ネックレスで20万円の短期つなぎ

項目内容
品物K18ネックレス30g(結婚記念に自分で購入)
状態良好、購入時の領収書あり
査定額27万円
借入額20万円
月利3%
借入期間2ヶ月
利息合計12,000円

2ヶ月の利息12,000円。思い出のネックレスを売却せず、保有したまま短期資金を確保できます。

ケース3: 自分で買い増した金地金50gで法人税納付つなぎ

項目内容
品物田中貴金属K24地金50g(自分で投資目的で購入)
査定額60万円
借入額50万円
月利2%
借入期間1ヶ月
利息合計10,000円

1ヶ月の利息10,000円。金相場が1ヶ月で2%上昇すれば50g地金の評価額は12,000円増加し、利息と相殺されます。

相場上昇局面での金・プラチナ活用戦略

戦略1: 「借りて取り戻す」で値上がり益を温存

金相場が右肩上がりの局面では、売却するより質入れで保有を続ける方が長期的に有利です。

  • 100g地金で50万円借入 → 2ヶ月で返済(月利2%=20,000円)
  • 同期間に金相場が3%上昇すれば、地金の評価額は3万円増加
  • 借入コストを上回る上昇益が見込めるなら質入れが有利

戦略2: 短期資金需要のつなぎ

法人税納付・住宅ローン頭金・教育費など短期の大型資金需要に。

  • 値上がり中の金は売却を避け、質屋でつなぐ
  • 公的支援・銀行融資の振込待ち期間をカバー
  • 金相場の機会損失を回避できる

戦略3: 相続品の評価期間として活用

相続税申告期限(10ヶ月)までの暫定的な保有に有効です。

  • 質屋で短期借入し、相続税納付資金を確保
  • 相続財産分割協議完了後に取り戻し or 売却を判断
  • 慌てて売却して値上がり益を逃すリスクを回避

金・プラチナの現金化で注意したいこと

注意1: 偽造品・メッキ品の持ち込み

K18メッキ・K24メッキ等の偽造品は査定対象外です。試金石・比重測定で判定され、偽造品は受け付けられません。

注意2: 市場相場の急変動

金相場は世界経済・地政学リスクで急変動することがあります。大きく値下がりした場合は質流れリスクが高まるため、長期借入では返済計画を慎重に立ててください。

注意3: 結婚指輪・象徴的なジュエリー

万一質流れになった時の心理的影響が大きい品は、別の品物を優先するか、短期返済が確実な場合のみ検討するのが鉄則です。投資用の金地金・金貨など感情的価値が薄い品物の方が運用しやすい資産です。

注意4: 加工費の評価は限定的

ブランドジュエリー以外は加工費が査定に反映されません。購入時の加工費分は売却・質入れでは戻らない前提で判断してください。

注意5: 譲渡所得の税務(売却時)

金・プラチナの売却益は譲渡所得の対象(年間50万円超の特別控除を超える場合)。質入れは譲渡ではないため譲渡所得は発生しません。売却前提なら税務影響も加味して判断する必要があります。

質屋を初めて使う方へ

質屋(しちや)は 都道府県公安委員会の許可 を受けて営業する合法業態で、質屋営業法に基づき品物を担保にお金を貸し出します。

主な特長は次のとおりです。

  • 返済できなくても取り立てなし(質流れで完結し、品物の所有権が質屋に移転)
  • 信用情報機関に登録されない(CIC・JICC・KSCへの照会・登録なし)
  • 本人確認のみで審査不要(職業・収入・信用情報を問わない)
  • 30分〜1時間で現金化(来店即日対応)
  • 必要な分だけ借りられる(査定額の枠内で借入額を選べ、利息を最小化できる)
  • 鑑定書付きの金・金貨は査定がブレにくい(重さ × 純度 × 当日相場という客観式)

質屋は対面取引が原則のため、最寄りの店舗に持ち込むのが第一歩です。質屋営業法の概要や利用の全体像は 質屋が初めての人向け完全ガイド で詳しく解説しています。

質屋利用の流れ

ステップ1: 事前確認

  • 取扱可否・概算査定額を電話で確認(純度・重さを伝える)
  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)を準備
  • 品物・付属品(鑑定書・購入証明書・金貨ケース)を持参

ステップ2: 査定と借入額の合意

  • 店頭で純度・重さの確認、当日相場での査定
  • 月利・質流れ期限・延長条件の説明
  • 借入額の合意(融資枠の上限まで借りる必要はなし)

ステップ3: 現金受け取り

  • 質札の発行
  • 現金を即日受け取り(30分〜1時間)

ステップ4: 期限内の返済と受け戻し

  • 元金+利息を持参
  • 質札と引き換えに品物を受け戻し

よくある質問(FAQ)

Q1. 金は買取と質入れどちらが得ですか?

完全に手放してよい品物で、今後の上昇益も求めないなら 買取 が最大金額です。返済の見通しがあり、保有を続けたい・将来の値上がり益も取り逃したくないなら 質入れ が優位です。短期で取り戻せる前提なら、迷ったらまず質入れを検討するのが、金のような相場上昇資産との合理的な付き合い方です。

Q2. 査定額の上限まで借りないといけませんか?

借りなくて構いません。借入額は融資枠(査定額の70〜90%)の範囲内で自由に選べます。査定額60万円・融資枠48万円の金地金でも、必要なのが20万円なら20万円だけ借りればよく、月利は借入元本にのみ発生します。「必要最小限を借りて利息を抑える」のが質入れを賢く使うコツです。

Q3. 預けた後に取り戻し→再度預けることは可能ですか?

可能です。返済して品物を取り戻した後、別の資金需要が発生したときに同じ品物を再度質入れできます。繰り返し利用も問題ありません。これにより、金地金・金貨を長期保有しながら必要に応じて何度でも資金化できます。

Q4. 金相場が下がっている時は質入れすべきではない?

短期借入なら影響は限定的です。2〜3ヶ月以内の借入なら金相場の変動幅は数%程度で、利息より大きな影響はないケースが多くあります。長期保有戦略では値下がり時の質流れリスクが高まる点に注意してください。

Q5. K10・K14の安価な金は質屋で扱ってもらえますか?

扱ってもらえます。純度比で査定されるため、K10(41.7%)・K14(58.3%)も問題ありません。K18・K24より単価は低い点だけ理解しておいてください。

Q6. 海外で購入した金製品は質入れできますか?

できます。ただし海外規格の純度刻印(585・750等)は店舗側で判定します。鑑定書がない場合は試金石・比重測定で確認するため、査定にやや時間がかかります。

Q7. プラチナと金、どちらが質入れに有利ですか?

金の方が単価が高く流動性も高いため、質入れには有利です。プラチナは産業需要・市場動向で変動が大きく、査定が安定しないケースもあります。

Q8. 金貨は地金より査定が高い?

モデル次第です。ウィーン金貨・メイプルリーフ金貨など国際流通の金貨は地金とほぼ同等の査定。記念コイン・限定コインはコレクション価値で上振れることもあります。

Q9. 月利1〜3%は本当に相場ですか?

金・プラチナは流動性が高いため、中〜高額融資(30万円〜)では月利1〜2%が相場です。借入額が大きくなるほど月利は下がる傾向で、地金100g以上の高額融資は特に低月利が期待できます。

Q10. 鑑定書を失くした金製品はどうなりますか?

刻印があれば試金石・比重測定で純度判定が可能です。査定額は鑑定書付きより5〜15%下がる傾向ですが、利用は可能です。

まとめ:金は「売る前に保有戦略も比較する」

金・プラチナは史上最高値圏で推移する長期保有資産です。売却で上昇益を確定させるか、質入れで保有を続けて将来の値上がりも享受するか、判断が長期リターンを左右します。

  • K24金地金100g: 査定120万円・借入96万円目安
  • K18ネックレス30g: 査定27万円・借入21万円目安
  • ウィーン金貨1オンス: 査定50〜60万円
  • 月利1〜2%、信用情報無影響、何度でも預け直し可能

鑑定書 × 当日相場 × 短期借入の組み合わせで、保有戦略と資金化を両立できます。売却を急がず、まずは複数店で査定を取ったうえで「売る/質入れる/持ち続ける」を比較するのが推奨です。

実際にお近くの質屋を探すには、エリアから質屋を探す からアクセスできます。質屋は都道府県公安委員会の許可制で、店舗ごとに査定基準・取扱経験が異なるため、 事前に2〜3店舗で見積もり を取ることが推奨されます。

関連する選択肢として、金を売らずにお金を借りる方法短期利用なら利息はいくら?金額別シミュレーション質屋が初めての人向け完全ガイド も参考になります。


免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務・投資相談を提供するものではありません。金・プラチナの市場相場は2026年4月時点の目安であり、日々変動します。実際の査定額・借入条件は店舗・市場相場・品物の状態によって異なります。

最終更新日: 2026年5月2日