「自分で買い集めた時計コレクションのうち、一本をいま売ったらいくらになるのか調べている」「父から譲り受けたヴィンテージ・パテックを、新しい出物の資金として手放すか考えている」——複数本の高級時計を保有していて、そのうちの一本を売却前提で査定情報を集めている方も多いのではないでしょうか。

ただ、ロレックス・パテック・オーデマなどの主要リファレンスは、過去5年で年率10〜20%上昇しているピースが少なくありません。いまの査定額で売ってしまうと、将来の値上がり益とコレクションの完成度を同時に失います。本記事では、高級時計の査定相場とその引き出し方に加えて、「売らずに保有しながら一時的に現金化する」もう一つの選択肢——質屋を組み込んだローテーション運用 ——を実務目線で整理します。

本記事は質屋ガイド編集部が、質屋営業法および高級時計の中古相場実務に基づき作成しています。具体的な月利・査定額は店舗によって異なるため、利用前に各店舗にご確認ください。

なぜ「売る前に質入れも検討する」価値があるのか

高級時計を現金化するときに見落とされがちなのが、「売る」と「質入れ」の決定的な違いです。同じ「現金を手にする」行為でも、その後に何が残るかが大きく異なります。

観点売却(買取)質入れ
受け取れる金額査定額の100%査定額の70〜90%が上限(必要な分だけ選べる)
品物の所有権失う(買取店へ)保持(返済で取り戻せる)
シリアル番号中古市場に流通する流通しない
値上がり益売却時点で確定保有を続ければ享受
信用情報影響なし影響なし
何度も繰り返せるか一度きり取り戻し→再質入れで何度でも

質屋は質屋営業法に基づく合法業態で、品物を担保にお金を借りる仕組みです。返済すれば品物は戻り、返済できなくても取り立てはなく、品物の所有権が質屋に移って完結します。CIC・JICC・KSCといった信用情報機関への照会・登録は一切ありません。

特にロレックス・パテック・オーデマなど将来も値上がりが期待できる資産では、短期の資金需要を質入れで凌いで保有を続けることで、長期の値上がり益を取り逃さずに済む構造があります。使い続けながら、必要なときに何度でも預けて借り直せるのも質屋の特長です。

高級時計を質入れする本質的な6つの価値

時計コレクターが質入れを選ぶ意義は、買取と比較して以下の6点に集約されます。

  • 使いながら/コレクションを保有しながら資金化 — 売却と違い、返済すれば手元に戻る。日常着用や記念のピースを失わない
  • 何度でも預け直せる(ローテーション運用に最適) — 取り戻し→再質入れのサイクルで、リボルビング的に資金需要に応える
  • シリアル番号が中古市場に流通しない — 買取は商品が中古流通網に乗るが、質入れは所有権を保持するため、ロレックスマラソン(※後述)など正規店との関係維持に影響しない
  • 値上がり益を逃さない — 人気モデルは年率10〜20%上昇するピースもあり、保有継続で含み益が伸びる
  • 信用情報無影響 — 住宅ローン・自動車ローン・事業融資の審査に影響しない
  • 必要な分だけ借りられる — 査定額1,000万円・融資枠700万円のロレックスでも、必要なのが200万円なら200万円だけ借りればよい。月利は借入元本にのみ発生するため、必要最小限の借入で利息を抑えられる設計

特に3点目のシリアル保護は、ロレックス正規店と継続的な関係を築いている読者にとって決定打になります。詳しい背景は 高級時計を手放さずに現金化する方法5選 でも整理しています。

高級時計の査定で見られる4つの要素

要素1: リファレンス(モデル番号)

同じブランドでも、リファレンスによって査定額は数倍違います。

  • ロレックス: デイトナ116500LN、サブマリーナ126610、GMTマスターII126710 などが高評価
  • パテック・フィリップ: ノーチラス5711/5712、アクアノート5167、カラトラバ系
  • オーデマ・ピゲ: ロイヤルオーク15500/15400、オフショア系
  • A.ランゲ&ゾーネ: ランゲ1、ダトグラフ、オデュッセウス

人気リファレンスはプレミア価格、生産終了モデルはさらに上振れする傾向です。

要素2: 製造年・シリアル

製造年が新しいほど一般に査定は高くなりますが、ヴィンテージは別軸で評価されます。

  • 2018年〜現在: 現行相場で安定査定
  • 2010〜2017年: プリオウンドとして人気
  • 2000年以前: ヴィンテージ価値での評価
  • 1970年代以前: ロレックス・パテックは状態次第で大幅プレミア

要素3: 付属品

時計は付属品の有無で査定額が大きく変わります。

  • ギャランティーカード(保証書)
  • 純正の箱(インナー・アウター)
  • 余りコマ・予備コマ
  • 取扱説明書・カタログ
  • 購入店レシート・正規修理記録
  • タグ・カードホルダー

フルセット揃いで査定額が15〜25%アップします。

要素4: 状態

外装の傷・打痕、文字盤の状態、ムーブメントの動作精度が査定基準です。

  • 外装磨き直しの有無(過剰研磨は減額)
  • 文字盤・針の経年劣化
  • オーバーホール履歴(正規・非正規)
  • 防水パッキンの状態

正規修理(メーカー認定)は減額が最小限、非正規修理は10〜30%減額となります。

ローテーションパターン
ローテーションパターン

主要ブランド別の査定相場

ロレックス

リファレンス査定相場
デイトナ116500LN400〜550万円
サブマリーナ126610LV200〜280万円
GMTマスターII126710BLNR220〜300万円
エクスプローラーII226570150〜200万円
ヨットマスター126622180〜250万円
デイトジャスト126334100〜150万円
ヴィンテージ・サブマリーナ5513200〜800万円(状態次第)

パテック・フィリップ

リファレンス査定相場
ノーチラス5711/1A-0101,500〜3,000万円
ノーチラス5712/1A700〜1,200万円
アクアノート5167A600〜900万円
カラトラバ5196250〜400万円
アニュアルカレンダー5396500〜800万円

オーデマ・ピゲ

リファレンス査定相場
ロイヤルオーク15500ST700〜1,100万円
ロイヤルオーク15400ST600〜900万円
ロイヤルオーク オフショア26470400〜700万円

A.ランゲ&ゾーネ

モデル査定相場
ランゲ1400〜700万円
ダトグラフ700〜1,200万円
オデュッセウス600〜900万円

相場は2026年4月時点の目安で、為替・需給・モデル別トレンドで変動します。借入予定額は最低査定額ベースで計算するのが安全です。

査定額を最大限に引き出す7つのコツ

コツ1: フルセット(付属品全揃い)にする

ギャランティーカード・箱・余りコマ・取扱説明書まで揃えるのが査定アップの基本です。

コツ2: クリーニング・メンテナンス

  • ブレスを柔らかい布で拭く(薬品はNG)
  • 風防のホコリを除去
  • ベルト・バックルの汚れを軽く落とす

過剰な研磨や非正規での磁気抜き・洗浄はかえって減額要因になるため、自分でやれるのは表面的な手入れまで。

コツ3: 正規購入の証明

  • ギャランティーカード(押印・店舗名あり)
  • 購入店レシート
  • 正規修理記録

並行輸入品より正規購入で5〜15%査定アップします。

コツ4: 専門店・専門質屋を選ぶ

時計専門の質屋・買取店は査定眼が確かで、ヴィンテージや希少リファレンスにも対応できます。総合質屋とは査定額に20〜40%差がつくこともあります。

コツ5: 複数店で見積もり

事前電話で2〜3店舗の見積もりを取るのが推奨です。リファレンス番号と借入希望額を提示して比較するのが定石です。

コツ6: 値上がりトレンドを把握する

主要リファレンスは過去5年で値上がり傾向です。市場相場の上昇局面で動くと、査定額・借入額ともに大きくなります。

コツ7: 短期返済の意思を伝える(質入れ時)

「すぐ取り戻す予定」と伝えると、店舗側も質流れ前提でなく顧客関係を重視した査定をしてくれるケースがあります。

ローテーション運用パターン【保有3本・5本・10本】

ここからは、売却ではなく質入れを軸にした「ローテーション運用」の実務です。保有本数によって、組めるローテーションの自由度は大きく変わります。

3本保有:シンプル循環型

3本保有のコレクターが組める基本形は、1本を質入れし2本を手元に置く運用です。

本数状態役割
1本目質入れ中資金源(借入額500〜1,500万円帯)
2本目手元日常使用・市況観察
3本目手元フォーマル・特別な場面用

3〜6ヶ月で取り戻し、別の1本を質入れするサイクルを年2回まわすイメージです。コレクションの3分の1が常に流動状態にあるため、突発的な購入機会に対応しやすい一方、質流れリスクの管理には注意が要ります。

5本保有:分散ローテーション型

5本以上になると、複数同時質入れと段階的取り戻しが現実的な選択肢になります。

本数状態役割
1〜2本目質入れ中資金源(合計1,500〜3,000万円帯)
3本目手元(着用)日常
4本目手元(保管)値上がり待ち
5本目手元(保管)緊急時の追加担保枠

質入れ期間を3ヶ月ずつズラして組むと、3ヶ月ごとに資金イベントが発生し、ピース別の出口戦略を分散できます。

10本保有:常時循環型

10本クラスのコレクションでは、常時2〜3本を質入れ状態に置き、残りで季節・場面に応じた着用ローテーションを組むのが定型パターンです。

区分本数状態
質入れ中(資金源)2〜3本借入総額3,000〜8,000万円帯
着用ローテ4〜5本季節・場面別
保管(値上がり待ち)2〜3本ヴィンテージ中心

借入総額がポートフォリオの30%以下 に収まるよう調整することで、相場下落時の質流れ連鎖リスクを抑えられます。

質料コストとリセール益の比較

ローテーション運用の合理性は、質料コストが想定リセール益を下回るかで判断します。

コスト比較
コスト比較

月利別の年間コスト

高額帯(500万円以上の借入)では月利1.0〜1.5%が相場下限で、中堅帯(100〜300万円)では月利1.5〜3.0%程度が現実的な水準です。

借入額想定月利6ヶ月コスト12ヶ月コスト
200万円2.0%24万円48万円
500万円1.5%45万円90万円
1,000万円1.0%60万円120万円
1,500万円1.0%90万円180万円

リセール上昇率との比較

中古相場で年率10〜20%程度上昇している銘柄なら、12ヶ月の質料を支払っても保有継続のメリットが上回るケースが多くなります。

査定額年率上昇1年後の含み益質料(月利1.0%)差額
1,000万円10%100万円120万円−20万円
1,000万円15%150万円120万円+30万円
1,000万円20%200万円120万円+80万円

年率15%以上の上昇銘柄なら、質料を払っても保有継続が有利 という構図です。逆に下落局面に入った銘柄は、ローテーションから外して売却を検討する判断も必要になります。詳細は 時計投資家のための資産活用戦略 で投資家視点の比較を整理しています。

短期回転と長期保有の損益分岐

3ヶ月以内の短期回転であれば、質料は借入額の3〜6%に収まります。一方で12ヶ月を超える長期質入れは、利息の積み上がりが含み益を上回るリスクが高まります。ローテーションは原則として12ヶ月以内の回転を目安に設計するのが基本です。

ケーススタディ3つ

ケース1:3本保有・40代経営者の決算前資金繰り

40代の中小企業経営者Dさんは、ロイヤルオーク・ノーチラス・ランゲ1の3本を自身で買い集めて保有。決算前の運転資金として600万円が必要になりました。

運用の流れ

  1. ロイヤルオーク(査定額1,200万円・融資枠840万円)を質入れし、必要な600万円だけを借入(月利1.5%)
  2. 4ヶ月後、売掛金回収後に元金600万円+質料36万円を返済
  3. ロイヤルオークを取り戻し、次の決算期にはノーチラスを質入れ予定

事業融資ではなく質屋を選んだ理由は、信用情報に登録されないため翌年の法人融資審査に影響しないこと。融資枠840万円のうち必要な600万円だけ借りたことで、利息負担を最小化できた点も決め手でした。

ケース2:5本保有・コレクターの分散ローテーション

50代のコレクターEさんは、自分で長年買い集めたパテック・オーデマ・ヴァシュロン・ランゲ・ロレックスの5本を保有。新しいヴィンテージ・パテックの出物(1,800万円)に対応するため、複数質入れを組みました。

運用の流れ

  1. ロレックス(査定額700万円)とヴァシュロン(査定額1,200万円)を質入れ、合計1,500万円を借入
  2. 借入総額をベースに自己資金300万円を加えてヴィンテージ・パテックを購入
  3. 3ヶ月後、別途保有していた金地金の一部売却で500万円を捻出しロレックスを取り戻し
  4. 6ヶ月後、ヴァシュロンも取り戻し完了

質料コストは合計で約115万円。一方、購入したヴィンテージ・パテックは1年後に2,200万円相当に上昇し、コレクションの簿価が大きく拡大する結果となりました。

ケース3:10本保有・父から譲り受けたヴィンテージ込みの常時循環型

60代のコレクターFさんは、自分で買い集めたピース+父から譲り受けたヴィンテージ・パテック2本を含む10本超を保有。常時2〜3本を質入れ状態に置き、ローテーションで運用しています。

運用の流れ

  • 春のオークションシーズン前にロイヤルオークを質入れ、資金1,000万円を確保
  • 落札したヴィンテージピースの代金支払いに充当
  • 夏に入って別途売却した金貨の代金で取り戻し、次に保管していたパネライを質入れ
  • 年末にかけてはディーラー出物に備え、資金枠を厚めに維持

このスタイルでは借入総額をコレクション簿価の30%以下に常に抑え、質流れ期限管理用のカレンダーを店舗ごとに分けて運用しています。父から譲り受けたヴィンテージ2本は感情的価値が大きいため質入れ対象から外し、自分で買い集めたピースのみをローテーションに組み込んでいます。

季節性と市況を踏まえた入れ替えタイミング

ローテーション運用は、市況に応じてタイミングを設計するとさらに効率が上がります。

春:オークション・専門店の出物が増える

3〜5月は海外オークションの主要セッションが集中する時期で、ヴィンテージの出物が増えます。買い手側の資金需要が高まる時期でもあるため、春先に質入れポジションを厚めに構える戦略が有効です。

夏:価格調整局面に注意

8月前後は需給が緩み、特に流通量の多い現行モデルは中古相場が一時的に下がることがあります。質入れ更新のタイミングを夏に重ねると査定額が下振れする可能性があるため、6月までに更新を済ませておくのが無難です。

秋〜年末:決算放出と買い増しチャンス

10〜12月はディーラーの決算放出が活発化し、状態の良いプリオウンドが市場に出ます。年末資金需要に合わせて手持ちの1本を質入れし、決算放出枠で買い増しを狙うパターンが定番です。

円安・金利局面の影響

円安局面では海外からの逆輸入需要が強まり、現行モデルの中古相場が押し上げられる傾向があります。査定額の見直しを依頼すれば、借入額の上方修正に応じる店舗もあります。

質屋を初めて使う方へ

質屋(しちや)は 都道府県公安委員会の許可 を受けて営業する合法業態で、質屋営業法に基づき品物(担保品)を担保にお金を貸し出します。

主な特長は以下のとおりです。

  • 返済できなくても取り立てなし(質流れで完結し、品物の所有権が質屋に移転)
  • 信用情報機関に登録されない(CIC・JICC・KSCへの照会・登録なし)
  • 本人確認のみで審査不要(職業・収入・信用情報を問わない)
  • 30分〜1時間で現金化(来店即日対応)
  • 必要な分だけ借りられる(査定額の枠内で借入額を選べ、利息を最小化できる)

質屋は対面取引が原則のため、最寄りの店舗に持ち込むのが第一歩です。質屋営業法の概要や利用の全体像は 質屋が初めての人向け完全ガイド で詳しく解説しています。

デメリットとリスク管理

質流れ期限の徹底管理

質屋営業法第19条により、原則3ヶ月の質流れ期限を超えると品物の所有権が質屋に移転します。複数同時質入れの場合、店舗ごとに期限がバラつくため、カレンダー管理は必須です。

  • 質札と店舗からの通知を全件保管
  • 期限14日前にアラートを設定
  • 利息のみ支払いで延長できる店舗を優先選択

査定額のブレと借入上限

同じリファレンスでも、店舗・時期・付属品の有無で査定額は数十万円単位で変動します。借入予定額は最低査定額ベースで計算するのが安全です。複数店舗で見積もりを取り、上限の店舗を選ぶ習慣をつけてください。

相場下落時の連鎖リスク

複数本を同時質入れしている状況で相場全体が下落すると、追加担保や金額減額の調整が発生する可能性があります。借入総額をコレクション簿価の30%以下に抑えるのは、この連鎖リスクへのバッファです。

取扱対象外モデルの存在

リシャール・ミルやFPジュルヌなど、流通量が極端に少ないモデルは取扱対象外とする店舗があります。事前確認を怠ると当日対応できないため、初回利用前のリファレンス確認が欠かせません。

質屋選びのポイント①:ヴィンテージ対応力

文字盤の風合いやムーブメントの状態を評価できる鑑定士の在籍が、ヴィンテージ対応力の指標です。電話で「ヴィンテージ対応の鑑定士はいますか」と直接確認するのが早道です。

質屋選びのポイント②:高額帯の取扱実績

1,000万円超の借入実績がある店舗は対応がスムーズです。「最高借入実績はいくらですか」と聞けば、店舗の力量はおおむね把握できます。

質屋選びのポイント③:月利交渉の余地

超高額帯では月利1.0〜1.5%程度が相場下限ですが、複数店舗の見積もり比較で月利0.3〜0.5%下げられることがあります。リファレンス番号と借入希望額を提示して比較するのが定石です。

特定モデルの査定相場は パテック・オーデマの査定基準 で詳しく解説しています。

質屋選びのポイント④:延長手続きの柔軟性

ローテーション運用の前提は、相場や個人事情で予定通りに動かないリスクへの備えです。

  • 利息のみ支払いでの延長可否
  • 手続きが店頭来店だけか、郵送・オンラインも可能か
  • 取り戻し時の決済方法(現金・振込)

店舗ごとに方針が異なるため、初回利用前の確認が欠かせません。

よくある質問(FAQ)

Q1. 高級時計は買取と質入れどちらが得ですか?

完全に手放してよい品物なら 買取 が最大金額です。返済の見通しがあり、保有を続けたい・将来も値上がり益を取り逃したくない・正規店との関係を維持したい(シリアル流通を避けたい)なら 質入れ が優位です。短期で取り戻せる前提なら、迷ったらまず質入れを検討するのがロレックス・パテックなど値上がり資産との付き合い方として合理的です。

Q2. 査定額の上限まで借りないといけませんか?

借りる必要はありません。借入額は融資枠(査定額の70〜90%)の範囲内で自由に選べます 。査定額1,000万円・融資枠700万円のロレックスでも、必要なのが200万円なら200万円だけ借りればよく、月利は借入元本にのみ発生します。「必要最小限を借りて利息を抑える」のが質入れを賢く使うコツです。

Q3. 預けた後に取り戻し→再度預けることは可能ですか?

可能です。返済して品物を取り戻した後、別の資金需要が発生したときに同じ品物を再度質入れできます。繰り返し利用も問題なく 、これがローテーション運用の核心です。同じピースを年に2回・3回と循環させても、信用情報には一切記録されません。

Q4. 複数本を同時に質入れしても問題ありませんか?

法律上の制限はありません。ただし、借入総額がコレクション簿価の30%を超えると、相場下落時の連鎖リスクが高まります。同時質入れは2〜3本までを目安にし、質流れ期限を分散させて管理してください。

Q5. ローテーション運用に向いているのはどんな時計ですか?

中古相場が安定しており、年率10%以上の上昇が期待できる銘柄が中心です。パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ、A.ランゲ&ゾーネ、ロレックスの主要リファレンスは取扱店舗も多く、査定額も読みやすい傾向があります。

Q6. 月利と相場上昇率はどう比較すれば良いですか?

月利1.0%なら年12%、月利1.5%なら年18%が単純コストです。中古相場の年率上昇がこれを上回る銘柄に絞れば、保有継続の合理性が確保できます。

Q7. 季節によって査定額は変わりますか?

変動します。需給の強い春先や年末は査定額が伸びやすく、夏の調整局面では下振れしやすい傾向があります。借入額を最大化したい場合、3〜5月か10〜12月に更新を集中させるのが現実的です。

Q8. 質入れ中の時計を売却することはできますか?

できません。質入れ中は所有権が留保されているため、まず元金+質料を支払って取り戻す必要があります。売却前提なら最初から買取を選ぶ方が合理的です。

Q9. 質流れしてしまった場合、買い戻す方法はありますか?

質流れ後の品物は店舗が中古市場に流す場合があり、店舗で在庫として販売されているうちは買い戻しが可能なケースもあります。ただし元の価格より高くなることが大半で、質流れ回避を最優先にすべきです。なお、質流れ後にシリアルが中古流通網に乗る点は買取と同じになるため、ロレックスマラソン中の方は特に期限管理を徹底してください。

Q10. 信用情報に影響しないというのは本当ですか?

質屋営業法に基づく担保ローンであり、CIC・JICC・KSCの3信用情報機関への登録・照会は行われません。住宅ローン・自動車ローン・事業融資の審査にも影響しません。

Q11. 海外オークションの即金資金として使えますか?

使えます。サザビーズ・クリスティーズなど主要オークションの決済は24〜72時間以内が一般的で、事前に質屋へ予約・査定を済ませておけば即日資金化が可能です。落札直後に質入れし、別ピース売却資金で返済する流れが定番です。

Q12. 譲渡所得税の扱いはどうなりますか?

質入れ自体は譲渡ではないため、譲渡所得税の課税対象外です。ただし、ローテーションの中で実際に売却した銘柄は譲渡所得の対象となるため、年間50万円の特別控除と保有期間(5年超かどうか)を踏まえて計画してください。詳細は税理士への個別相談を推奨します。

資金調達手段の全体像は 質屋 vs カードローン|金額別損益分岐点で見る実質コスト比較 でも整理しています。

まとめ:売らずに循環させるという発想

複数本の高級時計を保有するコレクターにとって、質屋を組み込んだローテーション運用はコレクションを縮小せずに流動性を確保する数少ない手段です。

  • 売却すると永久に手放すが、質入れなら返済で取り戻せる(値上がり益とコレクションを維持)
  • シリアル番号が中古市場に流通しないため、ロレックスマラソン等の正規店との関係を守れる
  • 必要な分だけ借りられるため、融資枠を満額使う必要はなく利息を最小化できる
  • 月利1.0〜2.0%は、年率10〜20%上昇する銘柄なら相場上昇分で十分相殺できる
  • 借入総額をコレクション簿価の30%以下に抑えることで、相場下落時の連鎖リスクを管理
  • 質流れ期限の徹底管理と複数店舗の見積もり比較が、長期運用の質を決める

ローテーション運用は単発の資金調達ではなく、コレクションの拡大と保全を両立する継続的な仕組みです。

実際にお近くの質屋を探すには、エリアから質屋を探す からアクセスできます。質屋は都道府県公安委員会の許可制で、店舗ごとに査定基準・取扱経験が異なるため、 事前に2〜3店舗で見積もり を取ることが推奨されます。ヴィンテージ・超高額帯の対応力には特に差が出るため、リファレンス番号と借入希望額を電話で伝えて、対応可否と概算月利を確認してから持ち込むのが安全です。


最終更新日: 2026年5月2日